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大学も、クリスマス休暇まであと一週間となりました。
メイルを一回分書いたまま送れないうちに、こんなことが起きてしまったので、2通同時に送ります。しつこくてすみません。

水には慣れっこでも・・・

 12日から16日にかけて、イタリア全国各地で大雪が降りました。ここヴェネツィアは13日、お昼過ぎからみぞれ混じりの雨が降り始めたかと思ったら、あっという間に雪になり、4時に授業が終わったときにはまだ降っていたのですが、帰れなくなるよりは多少雪をかぶっても早く帰ったほうがいいだろうと思い、校舎を出たとたん・・・目の前の橋の上で、「ああ、雪の通学風景も写真にとっておこうかな」などと出来心を起こしたのが大間違い。まさにすってんころりん、腰と右腕を強打しました。痛みと、再度転ぶのを恐れて、ふだん10分以内のバス停までの道を30分近くかけてぎこぎこ歩いていたら、知らないおばさんに「山に慣れてないね」と言われました。そりゃ慣れてないよー普通の靴で歩くのは。ところが、慣れてないのは私だけではありませんでした。実際このあたりは、寒いとはいえ、雪が降るのはまれ。10分おきに来るはずのバスを20分くらい待ち、ぎゅーぎゅーに乗りこんだら、本土側に渡る橋の上で、超のろのろ運転。まあ、この雪では仕方がないかな、と最初は思っていたものの、一時間たったところで完全にブロック。やっと運転手がつかんだ情報によると、「トラックがすべって道をふさいでいるため、いつ動くかわからない。」だいぶ前から降りて歩き出した人がいたのですが、足元の冷たさと痛みとで初めは躊躇していた私も、ここで歩き組に転換。降りてすぐに思っていたよりもまだまだずいぶん手前で降りてしまったことに気付きましたが、ともかく車はまったく動いていないことだけを慰めに、ぎこぎこ歩き続け、乗っていたのと同じ行き先のバスを4台抜き、町の中も完全に車がブロックしているのを横目に、家に無事たどり着いたときには7時になっていました。通常、30-45分の道のりに3時間。バスに缶詰になっているときには、日本での通勤時代を思い出し、他のほとんどの学生のように、ふだん徒歩で30分以上かかろうとも、やはりヴェネツィアの島の中に住めばよかった、などと思ったりしていましたが、トータル3時間とはいえ、歩いて帰れる距離だけましというべきでしょうか。家で体が温まったら、強打した腰は歩けないくらい痛くなっていました。幸い、もともと14日(金)は、公務員のストで授業がなかったので、家でぐったりしていました。
 
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ところで、何かこうしてメイルを書くたびに濃霧だったり大雪だったりするので、ものすごくお天気の悪いところ、という印象を与えているかもしれませんが、それは異変が起きると「こんなことが起こった!!!」と言いたくなるからで、ほんとうは、前回メイルを書いてから、というより前回メイルに書いた2回のお祭りの日以外は、実はずっとずっと晴天続きでした。朝は日当たりのいい運河沿いの道を選んでゆらゆら揺れる水面を眺めながら歩くのはなんとも幸せで、へとへとに疲れた夕方も、海に沈む夕日をバスの中から拝むと、ああ、やっぱり海はいいなーなどと思ったりして、堪能していました。
それが、数日前からシベリアから大寒気団がやってきたとかで、お天気はいいけど朝晩の冷え込みがきついなーと思っていたら、突然の大雪が降ったというわけです。TVの全国ニュースでも「(高水にはすっかり慣れた)サンマルコ広場に大雪」という映像が流れ、あーしまった、やっぱり写真を撮りにいけばよかった、などと野次馬根性を起こしたりして。いや、出たとたんに転んで、それどころではなかったのだけど。それにしても普段降らないだけに、見たところチェーンをしている車は皆無、もちろんスノータイヤなど履いているはずもなく・・・そりゃ交通も麻痺するわ、という感じ。実際ヴェネツィアでは半日降っただけなのだけど、後で聞いたところ、結局私がバスを降りた後は、電車もバスもすべてストップ、翌日もヴェネツィアの島の中は完全にまさに孤島と化していたようです。3時間とはいえ、半分はバスに乗っていたし、ともかく帰れただけましだったようで、あの晩、どこで何時間かかったか、というのがその後のもっぱらの話題です。翌日からまた再び太陽が戻ったもののさらに冷え込んで毎日最低気温が-5℃ぐらい、3日たった今も、家の周りの日当たりの少ないところは巨大スケートリンク。この気温の低さで、いったいいつこの凍った雪が消えることやら。
ドロミテほか山のスキー場だけは、前日まで「あとは雪を待つだけ」だっただけにほっとしていることでしょう。
それでは、また。みなさまも風邪などにお気をつけください。
Fumie

14 dic 01
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Buon Natale! (Happy Cristmas!) いかがお過ごしでしょうか。
 寒波がいつまでたってもイタリア半島に居座り、零下の日々が続いています。一週間予報によると、今年は、ここ20年で一番寒いクリスマスになるとか。私のこれまでの人生3X年の中でも、一番寒いクリスマスになることは間違いありません。昼間、今日はちょっとあったかいな、と思ったら寒暖計の表示が5℃になっているのを見て、だんだん慣れてきた自分にびっくりしてしまいました。ここしばらく、お昼すぎでも1℃とか-1℃とかいうのを、冗談でしょ、と思いつつも見慣れていたので・・・。ともかく、ありったけのものをすべて着込んで、不本意にもほとんど着たきりスズメです。
今回は、雪が凍りついたサンマルコ広場の写真を添付しました。

カウントダウン

とうとう、郵便局で15日(土)から、銀行では17日(月)から、いよいよ本物の「ユーロ」交換が始まりました。なんとその名も「両替」ではなく、「ミニ・キット」(mini kit、英語そのまま)の販売!1キット25000リラ=12.91ユーロで、なんと一人3キットまで、もちろんどこも行列、整理券等々のさわぎ。うまいな、と思ったのは、この小出し作戦。このイタリアにおいて英語名というのは、日本でのカタカナ名よりもまだまだずっと「なんとなくインターナショナルで新しいっぽい」イメージになるし、とりどりの硬貨が一つの袋にパックされていて、と好奇心をかきたてる要素抜群。「子ども銀行」みたいな。実際、ニュースを見ているとほとんどがわりと年配の、しかも男性が圧倒的に多くて「クリスマスだし、孫のプレゼントに」とか言っている。ねらったのか、偶然なのか、タイミングも抜群。金額にしたら、1400円やそこらで、実生活には全然役に立たないのだけど、確かにこれなら小さい子にでも気軽にあげられるし。しかも「最初のユーロ」というので、マニア心をくすぐるんでしょうね。このキット分は、大半がまさに「子ども銀行」とマニアのふところに死蔵するのではないでしょうか。部外者として冷静な私ですら、やはり見てみたい気がして、郵便局に行ってみましたが、当然のように「当面在庫切れ」の張り紙。がっかり。だいじょうぶなの???ユーロ!!!!!
手に入れた友人によると、「ものすご~くちっちゃい」。どうやら、0.01セント(?)、イタリア語では、チェンテジモ(centesimo)の硬貨のサイズことらしいのですが、イタリア・リラは、50リラとか100リラとか、超小額のものがわりとサイズが大きい。それはなぜなら嘘かほんとか、昔一度小さくしたら、あまり小さいと字が読めなくて判別がつかなくて不便、と老人から苦情が殺到したとかで、小さいのも実は存在しているのですが、流通量が圧倒的に少ないのです。
幸いこちらには銀行口座も小切手もたんす預金もなく、必要なキャッシュを日本の口座からその都度引き出している私は、こちらの「バンコマット」という現金支払機がユーロに変わってくれればいいだけの話で、特に細かい動向をフォローしていなかっただけに、おそらく前から決まっていたはずのミニ・キット販売に新鮮にびっくりしてしまいました。もっとも、1月1日から、すべて自動的にユーロ表示になっているはず、というこの現金支払機バンコマットが、「はず」ではあっても、いまいち信用できないというか、結構古い機械も多いのに、ほんとにそんな「一斉に」変わるなんてことがあるんだろうか・・・と個人的には疑っていますが。いつまでもリラが出てきちゃったりすると、両替の心配をしなければならず、ちょっとめんどくさいので。
 そんなわけで、イタリアではユーロ導入、盛り上がっています。ペルージャ時代に知り合ったギリシャ人の友人が「通貨はアイデンティティのひとつ、ギリシャ・ドラクマには紀元前からの歴史があるのに、なくすなんてとんでもない」と怒っていたのもなつかしい思い出です。
それでは、よいクリスマスを。
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Fumie

21 dic 01
またまたごぶさたしておりますが、いかがお過ごしでしょうか。私は自分が2週間くらいずっと風邪をひいていたのと、その間に一度メイルチェックしたら、友人の間でウィルスが発生していたので感染チェックをする必要があり、こちらからメイルできずにいました。一応、今回は感染していなさそうなのですが、何か問題がありましたらほんとうにごめんなさい。人間もパソコンも、ウィルス、ほんとに困り者です。

いよいよ!

さて。イタリアでは、というより、欧州12カ国ではというべきでしょうか、この12月は、クリスマス商戦とともに、ユーロへの移行へ向けて本格的に準備が始まりました(ちなみにイタリア語では「エウロ」)。今年に入ってから、ほそぼそと政府広報みたいなCMなどはやっていたし、スーパーマーケットなどではリラ、ユーロと両方表示されていましたが、実際使わないものは見ないもの。さすがに11月後半ぐらいから新聞や雑誌などでもユーロQ&Aみたいな小冊子がおまけについていたりして、「実践」ユーロ情報が氾濫(?)しています。それでもみんな、「混乱は必須」と思っているらしく、政府広報も「お金が変わっても、生活(人生)は変わりません。」とか、なんだかなだめ調みたいなコピーになっています。そもそも、お金の単位が変わるというのは、いろいろ大変なことだと思いますが、イタリア・リラはもともとの桁が大きく、1ユーロ=1936.27リラ、と桁が大きく変わるので、単位だけでなく、この少ない桁に「慣れる」のが大変。そして、混乱はもちろん、庶民の心配は便乗値上げ。
たとえば、私が毎日通う、校舎の前のバールのパニーノ(Panino=イタリア風サンドイッチ、注文してから専用ホットプレートではさみ焼きするので、周りがパリパリになり中のチーズなどが溶けて、とてもおいしい)。いや、おいしいのはいいのですが、10月の初めにはすべて5000リラ(約285円)で、それでもいわゆる「ヴェネツィア価格」、ちょっと高めかなーという感じだったのに、11月中旬、大学の第2期が始まって初日、行ってみたら表示が全部ユーロに変わっていて、「パニーノ各種3ユーロ」。待てよ、5000リラ=約2.5ユーロなのに、さては1月から値上げ・・・許せん!!!と思っていたら、すぐ翌日、ユーロとリラの対照表が新しくできていて、3ユーロ=5800リラとの表示。そしてちゃっかりその日から5800リラになっていました。これだけみれば、たかだか数十円の違いなのだけど、子の調子で全部ちょっとずつ上がっていくと、結構違ってきます。問題は、単なる桁の違いだけでなく、数字自体への慣れ。今は500リラ以下というとかなり小さく、硬貨も50リラ以下は流通していないので、たとえばグラム売りのものなども50リラ以下は四捨五入というよりはわりと適当で、細かいのがないと、まあいいや、みたいな感じだったわけです。スーパーマーケットなどで買い物をしても、レシートとおつりがぴっちり合わないのは、ほぼ当たり前だったのに、今度は、たとえば5000リラは、正確には2.58ユーロなのに、なんとなくこの.58が気持ち悪いのか、えいや、と切り上げてしまう。それにしても3ユーロまで持ってくのはかなり大胆だと思うけど、たぶん、2.6でもまだ気持ち悪い感じがしてしまう。例えば、日本のスーパーマーケットでは1980円とか、498円とか、”98”をつけて、ひとつ上の単位を少し切る、というのがなんとなく定番で、2003円、とかいうのはとても気持ち悪いように、この数字自体の、心理的影響というのは案外大きいのではないでしょうか。気持ち悪さを利用して、金額の大きいものはともかく、細かいものが全体に底上げになるのでは、と思っています。私自身も、もはや「まあいいや」に慣れているので、最後までぴっちり合わせるのはストレスですが・・・。
もっとも、外国人の私にとっては、ユーロ対円の為替レートの変動のほうが、影響莫大。ユーロが高騰はしないまでも、急落もしないと思うし、しばらく高値が続くと困るな~と心配しています。日本円、がんばれ!!!!!!!!!
楽しいクリスマスシーズンに、生活臭のにじみ出る細かい話題ですみません。(ちょっと反省、でも切実)
ではまた。
Fumie

07 dic 01

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